映画の感想   ウインド・リバー ★★★★☆

ウイスコンシン州の雪深い厳寒不毛の地。そこは、ネイティブ・アメリカンの居住地。若い女性の死亡事件を、FBIの女性と現地のハンター(ジェレミー・レナー)が、真相を見いだすべく、活動していくが。。。という話。

寒く、雪深く、希望のない土地に暮らすしかないネイティブ・アメリカンの生活、そこには地域の広さ、人口に対して極端に少ない警察力しかなく、未解決の女性失踪は極端に多い。これは別番組で見たのだが、(町山智宏の番組) 住民に糖尿病などの病気も多い。 ジェレミー・レナー演じるハンター自身が、ネイティブ・アメリカンの妻との間に生まれた娘を、「油断して」失い、家庭が崩壊している。世界には勝てないが、感情とは闘うしかない、と言うような事を彼はいう。殆ど絶望的な状況、寒さの中でそれでも彼らは生きていこうとする。

 話としては一応犯人も分かり、着地するのだが、眼目はそこではない。アメリカってこういう国でもある。そのことを映像で学ばせてくれる映画。ジェレミー・レナーは好きな役者だが、この映画ではハンター役をぴったり演じている。すばらしい。