レジデンス   Netflixドラマ    ★★★★☆

 ホワイトハウスの裏方のトップが、オーストラリアの首相を招いた晩餐会の最中に殺されてしまう。そこで、招集された名探偵 カップ(女性、黒人)が謎を解くという設定。

 全8話、おそらく7時間程度の長さ。前半はなかなか進まないなあ、と思っていたけれど謎解きはなかなか良かった。

ホワイトハウスにどのような部屋があるか、どのようなスタッフがいて階層があるか、大統領が入れ替わることによってどのような変更があるか、厨房はどのようになっているか、晩餐会がどのように準備されるか、など探偵の調査に即して語られている。

その中で、事件の手がかりがあちらこちらにばらまかれていて、ドラマの進行としては、後の公聴会の場面と頻繁に入れ替わりながら、ユーモアたっぷりに話が進んでいく。

エピソードの題名も、有名な推理小説から取ってきたもので、ドラマの中でもアガサ・クリスティの小説も言及される。

 とは言え、鳥の観察は、マニアックだったな。私も鳩やカモメは好きだが、主人公のレベルまではとてもついて行けない。

 戯画化された登場人物など、時間進行の不自然などフィクションだからこその部分は多々あるのだが、有るべきユーモアミステリーのフォーマットを踏み外さず、謎解きの面白さを感じさせてくれた点で満足。 好み。 もう少し短かったらとは思うけれど。

映画の感想  ギルティ  ★★★☆☆

何らかの理由があって、警察の電話オペレーターに廻された警官が、誘拐されたらしい女性からの電話をうけ、解決に手を尽くす、と言う物語。

すべて電話で対応する、限られた空間、手段での表現、演出という所だが、面白みはあるけれど、やはり途中で少し飽きてしまった。クライマックスで主人公のオペレーターが罪を告白する場面は、無理があるのではないかと感じた。それから主人公がいらだちをぶつけて電話を投げつける場面も。

と言う事でもう一つ乗れない作品だった。

 

 

映画の感想  ハッピーデスデー  ★★★★☆  

★よっつは、エンタメ、ホラー映画として、と言うところ。

イムループSF+ラブコメ+ホラー+サスペンスミステリー なんなら若者の成長と家族との和解までを入れ込んでうまく料理して短く纏めました、と言う異常のものではないとおもうが。

面白く見続けることができたし、最後に謎解きとしての一ひねりを入れてくるところもよかった。

主演女優綺麗でOK.低予算だけど充分面白い。

エンタメ映画はこれでいいのだよね。

 

映画の感想 バービー   ★★★☆☆

バービー人形がどういうものかまるで分からない私にもそれなりに楽しめた。何より、マーゴット・ロビーがはまり役ですばらしい。

バービー人形が体現する価値観(実社会のネガとも言える)が実は女性に取っても、男性にとっても抑圧に満ちたものであって、その硬直した価値観の破綻によって、一見すばらしいバービーの世界にもひびが入り、ケンと共に人間界を訪れ、、、、というプロット。

メッセージ性が強く、それをありきたりのラブロマンスや、アクションサスペンスに落とし込むことなく、外していきながら面白く見せている。

一番面白かったのは、人間界のママが、抑圧された女の呪いを解くために(というか、結果的に洗脳が解けるのだが)ぶち上げる演説。 これはなかなか聞かせるなあ。

その部分だけもう一度聞きたいぐらい。

演出は才気に溢れ、メッセージは強いものの、厭な気にさせない。秀作。

それにしても、マーゴット・ロビーはいいな。

★四つに近い、三つ。

 

映画の感想   テルマ アンド ルイーズ   ★★★★☆

白人ノンエリートの女性(ウエイトレスなどの仕事をしている)の友達二人が、休暇を利用して車でドライブをしているうちに、テルマが羽目を外しすぎて、好色な男の目を引きレイプされそうになり、ルイーズが助けるが、暴言を吐く男を射殺してしまう。

テルマは警察に言おうというが、テルマは絶対に厭だ、信じてもらえない、と言って

二人の逃避行が始まる。

途中、いい加減な盗人の男(ブラッド・ピットが良い感じの悪男ぶり)にテルマが性懲りもなく引っかかって金を取られたり、ルイーズの辛い過去がなんとなく見えてきたりする。テルマのダメダメぶりによって、二人は落ちていくのだが、開き直ったテルマが今までの駄目男に仕える奥さんの殻を破って強盗をしたりするところから、二人はバディとなって楽しみを感じながら逃げていく。

 嫌らしいトラックの運転手とのやり取りは、映画のテーマを象徴するもので、抑圧された女性、奪われる女性が男どもからろくな扱いを受けていないことに対する抗議である。

 結末は、予想されたものだが、むしろ物語のモメントによって要請された有るべき結末と言えるだろう。現実をこえて悲劇的であるが美しすぎる。

 スーザン・サランドンよし、ジーナ・デイビスよし。名作。

 

 

映画の感想  モダンタイムズ   ★★★★☆

 

チャップリンの有名作。良く引用されるチャップリンが大きな歯車に挟まれて廻るシーンは冒頭の、工場労働者として働く部分にある。このシーンを含め、工場労働者として単純な流れ作業を社長の指示に基づいてどんどん早くネジ締めの仕事をしようとして追いつかず、その動作が身についてラインを離れても止められなくなってしまう様は、批評精神に満ちて秀逸。共産党のデモのリーダーと間違われて投獄されるのも、社会批評か。しかし、その後は仕事をしようとしてもうまく行かず、刑務所に出たり入ったり。浮浪者の少女と知り合って助けようとして、何とか仕事を見つけられそうになるが、結局また逃げる、しかし希望は失わない、と言うところで終わる。

労働者は報われず、格差は拡大していくというメッセージを読み取ろうとすればとれないことはない。コメディ的要素は大変すばらしくチャップリンの才気がほとばしっているが、今の私から見て楽しく笑えるかと言うと、他の作品と同様なかなかそうはいかない。冒頭はともかく、勉強として見てしまうなあ。

 

映画の感想 鑑定士と顔のない依頼人    ★★★☆☆

とても面白いミステリードラマ。ラストの急展開が、少しだけ読めていた感じはあったけれど。深読みしたら駄目な映画だね。ミステリーとして楽しめばいい。

 

追記

1日経って。これは、主人公の目線に立って考えれば、知的で内向的な男、鑑定士として成功した、社会的成功も自分なりに充分得た男が、己の情熱と夢を掛けた恋愛に裏切られると言う話で、ジェフリー・ラッシュの演技はすばらしいし、この展開はおちと言うより、切実な夢の崩壊、と見えてきてなかなか趣深い。

 罠に落ちないための手がかりは沢山あったのだよ、オールドマン君。