映画の感想 ジョン・ウィック  ★★★☆☆

映画はファンタジーである。面白いと感じるために、現実を離れて、現実ではあり得ないこと、矛盾を平気で設定して、お話をつくる。

さてこのお話は、超絶的能力を持った元殺し屋が、車を盗まれ亡き妻に贈られた犬を殺されたことによって逆上し、殺したロシアマフィア一派をまるごと殺してしまうというものである。

しかし、ある意味で、物語の結構は一応の組立ができていれば後はどうでも良いので、徹底的に殺しの場面を次から次へと見せていく。ためらいはほとんどなく、シューティングゲームのように殺していく。

 ファンタジーなのは、殺し屋が一種の共同社会をつくっていて、皆が泊まるホテルがあり、そこでは、仕事をしては駄目という掟があるとか、殺し屋が共通して依頼する遺体処理屋がいるとかと言う部分であるし、プロットが甘いのは、例えばボスを裏切りジョンに協力したスナイパーがジョンと橋で会って、殺し屋に目撃されるなどいろいろだが、しかしその辺はもう物語を進めるための見え見えの置き石のようなもので、この映画は、キアヌ・リーヴスのスマートな殺し屋ぶりが見られればそれで良いのだろう。

その点では文句はない。でも続編は見ないなあ。

星三つ。